恩知らずのあぶり
おんしらずのあぶり / ムツ

恩知らずのあぶり

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握り

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並

 寒い時期になると成魚だけではなく、「恩知らず」と呼ばれる当歳魚も旬を迎える。「恩知らず」は厳寒期の夜になるとほんの2、3mの浅場に群れを作る。千葉県外房などではこれを狙う釣り師が磯や防波堤で電気ウキを投げる光景が見られる。防寒具に身を固めても、身が凍りつく、そんな過酷さに耐えても釣りたいのは、食べたいからである。それほどに冬の「恩知らず」はうまい。
 これが同じ寒い時期に定置網にまとまって入る。手のひら以下で、すし職人はこれを「片身づけサイズ」と言う。実はこれが江戸前すし職人のもっとも好ましいと思う大きさなのである。
 仲卸で見つけてたかさんに渡すと、こはだを下ろしたばかりのまな板で、手慣れた手つきで下ろし始める。一袋20尾があっという間にすしネタに変身する。
「皮を引いてもいいけど、あぶるよ」
 あぶると身から脂が吹き上がってくる。まだ熱いのをつけて、目の前の下駄に置かれたのを瞬時に口に放り込む。
 口の中で表面がとろけるとろける。脂の官能的な甘さと、皮の風味、身の柔らかくて美味しいのが全部、すし飯でまとめられて喉に消える。
「たかさん、何も言えないよ」
2012年12月27日

寿司ネタ(made of)

ムツ
英名/Japanese bluefish, Bigeye

ムツ
関東などでは煮つけ用の魚として、最上級のもので人気が高い。
古くは一般人に手の届くものであったのが、近年は高値安定して、なかなか家庭からは遠いものとなっている。
むつっこい(脂っこい)魚であるというのが語源となっているように、脂ののった身は・・・・
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